日本語では風道管と表現される建築設備のことで、換気や排気、空調などの役割を果たす建築物にとって不可欠なものです。広義で配線などが通るパイプを指すこともありますが、厳密には前者。いずれにせよ、なかなか意識して目にする機会は少ないですが、快適な生活を送るうえで、電気や水道などとその重要性は同じと言えるでしょう。
前述のように建物に欠かせないダクト。
つまり、高層ビルも住宅も、飲食店も工場も、ほぼすべての建物に存在するということになります。と、なれば大きさや形などその仕様は多種多様。1辺が2m以上あるものもあれば、天井換気扇につながっている10cmくらいのものもあります。
また形も角型、丸型、直線のもの、カーブを描くものなどさまざまで、さらになかには防音や防振動の機能を備えたものも。亜鉛鉄板はもとより、ガルバリウムやステンレスをはじめとする素材も多彩です。
おおまかに言うと、まずは建築物の設計図や建築現場を確認し、そこからCADを利用して図面を作製。それを基にいくつもの工程を経て建物にぴったりのダクトを完成させます。そしていよいよ実際に建築の現場へ運ばれ、丁寧に取り付けられて建物の竣工を迎えます。つまり、建築の一工程として定型のダクトを付ければ良いと言うわけではなく、建築の初期から完成までの“建物の成長”と共にダクトも生み出され建物の一部となり、その大事な役目を担うこととなるのです。